幅の広い豊かな味わいで楽しませてくれる奥深い「中国茶」の世界

お茶発祥の地は中国です。

日本で多く飲まれている緑茶も、イギリスで愛されている紅茶も、もちろん中国茶の代表格であるウーロン茶も、すべてのお茶のルーツは中国にあります。

そんなお茶の国・中国で飲まれている「中国茶」はほんとうに種類がたくさんあります。

日本ではお茶と言えば緑茶が基本ですが、中国では緑茶の他にも、青茶や白茶などがあります。もちろん紅茶もあり、他にも黄茶や黒茶、花茶と呼ばれるお茶があります。

緑茶や紅茶は、それぞれ日本茶やイギリスで飲まれているものと製造方法は同じです。緑茶は不発酵茶、紅茶は完全発酵させて作ります。ただ緑茶の場合、中国では蒸すのではなく、炒るのが特徴です。

実は中国国内でもっとも多く飲まれているお茶は緑茶なんです。

中国の緑茶として中国の国内でも銘茶とされているのは「龍井茶」(ろんじんちゃ)というお茶で、茶葉を摘み取る時期でランクがあります。3月から4月が旬と言われる時期です。浙江省が産地のお茶です。

他にも「黄山毛峰茶」(こうざんもうほうちゃ)という緑茶や、「緑牡丹茶」(りょくぼたんちゃ)などという緑茶があります。

ちなみにイメージでは中国茶といえばウーロン茶ですが、ウーロン茶は青茶と呼ばれるお茶になります。青茶は茶葉を半発酵させて作ります。

青茶で有名なお茶はウーロン茶のひとつで「凍頂烏龍茶」(とうちょううーろんちゃ)があります。これは台湾の代表的なお茶です。

一般的にイメージするウーロン茶と、もっとも近いとされているのが「鉄観音茶」(てっかんのんちゃ)という青茶です。種類が豊富なので、自分に合ったものをみつけるのも楽しいですね。

白茶は白い産毛で覆われている若葉などの部分を摘み、揉まずに弱い熱を加えてゆっくりと発酵を促して作るお茶です。花のように優雅な香りを持つのが特徴です。

白茶は「白毫銀針茶」(はくごうぎんしんちゃ)や「白牡丹茶」(はくぼたんちゃ)などがあります。どちらも茶葉がお湯の中で優雅に上下するのでガラス製のティーポットで楽しみたいお茶です。

黒茶は後発酵茶と呼ばれて、緑茶の茶葉として精製したあとに、温度も湿度も高い場所で麹菌の力で再度発酵をさせる茶葉で作るお茶です。ワインのような熟した味が特徴のお茶です。

黒茶で有名なのはプーアル茶です。「普洱散茶」(ぷーあーるさんちゃ)は雲南省に住んでいる少数民族のひとたちが作ったお茶です。お腹が空っぽのときに飲むと胃に良くないので、食後に飲むのが適しています。

またもうひとつのお茶である黄茶も、緑茶を再度発酵させる後発酵茶です。黒茶よりも軽めに後発酵させるお茶で、お茶の中でも珍しいと言われているものです。

「君山銀針茶」(くんざんぎんしんちゃ)は黄茶の中でも銘茶で、値段も少しはります。希少価値が高く、めったに本物には出会えないと言われているお茶です。苦味がでないお茶でもあります。

花茶はという美しい名前のお茶は日本でもお馴染みのジャスミン茶が花茶の一種です。さまざまな茶葉に花の香りなどを付けたもので、緑茶はもちろん黒茶や紅茶が基本にした花茶があります。

ジャスミン茶は「茉莉花茶」(まりかちゃ)と言い、緑茶がベースの花茶です。見た目がとても華やかで美しいのでガラスのポットとカップで楽しみたいお茶です。

ちなみに中国の紅茶は「祁門紅茶」(きーまんこうちゃ)と「正山小種」(せいざんしょうしゅ)があります。祁門紅茶は世界三大紅茶のひとつ、正山小種はラプサンスーチョンという名前で知られています。

ウーロン茶だけではなく、花茶や紅茶をみても日本でも飲むことができて親しまれているお茶が以外と多いのが中国茶の特徴ですね。