「お茶」は元々、体に良いお薬として飲まれていたのが起源です。中国でもヨーロッパでも薬として使われていたことは文献にも載っています。
イギリスの宮廷内で紅茶を振る舞ったことで有名なキャサリン妃も、チャールズ2世との結婚の持参金の一部として、自身の健康を考えて紅茶の茶葉を大量に持って来ています。
現代でもお茶は健康に良いとされていますが、実際、お茶にはどんな効能があるのか知っていますか?
それでは、お茶の効能と日本茶の優れたパワーをご説明しましょう。
紅茶もウーロン茶も、そして日本茶でもある緑茶も元々はツバキの一種であるチャノキの葉からつくられているので、葉が持っている成分は同じです。
発酵させたり日光に当てたり、それぞれの茶葉をつくる工程を経ることで、その成分の作用が微妙に変化したり新たな効能が生まれたりします。
茶葉の代表的な成分は「カテキン」と、それから「カフェイン」です。
カテキンはタンニンとも呼ばれて、お茶の渋みの成分です。発酵させることで減ってしまうので不発酵茶である日本茶(緑茶)に一番多く含まれています。
カテキンには、菌を死滅させる殺菌作用があり風邪やインフルエンザの予防などに効果が期待できます。また、他にも脂肪分解酵素を働きを高める効果があり、ダイエットにも良い成分と言われています。
お茶でうがいをすると風邪の予防になる、という話が良く聞かれますが、それはカテキンの力なのですね。
そしてお茶と言えばカフェインが含まれていることでも有名です。
葉自体に含まれているカフェインの量は、実はコーヒーの倍以上なのですが、お茶として抽出される液体の中に含まれるカフェインはコーヒーの半分以下になるんです。
カフェインの作用は眠気覚ましが有名ですが、お茶は朝の眠気覚ましにもなり夜の睡眠を妨げないくらいの、適度なカフェインの効果を持っています。
ただし、カフェインに敏感なひとが寝る前に濃い日本茶など飲んでしまうと眠れなくなってしまう可能性もあるので、充分に気をつけましょう。
また日本茶には、ビタミンCも含まれていて増えてしまった悪玉コレステロールを減らすという働きがあります。またビタミンCは日に焼けてしまった肌にも良いとされていて、メラニン色素が沈着してしまうのを防ぐ効果もあります。
熱に弱いのがビタミンCの特徴ですが、とくに緑茶に含まれているビタミンCの場合には熱を加えても壊れないという性質を持っているので茶葉を料理などに使えば手軽にビタミンCを摂取できます。
お茶には利尿作用もあり、体の外に水分を排出するので、むくみ解消の効果もあります。
意外と知られていませんがお茶には「アミノ酸」も豊富に含まれています。アミノ酸は緑茶の甘味や旨みの成分です。アミノ酸には血圧を下げてくれるという働きがあります。
忙しい仕事の合間にお茶の時間をもうけることでリフレッシュできるという効果もあります。これは休むからリフレッシュできるというだけではなく、お茶に含まれているアミノ酸のテアニンがドーパミンを増やすという働きをしてくれるからなのです。
他にも、動脈硬化や糖尿病の改善や、ガンや認知症などの予防になったりとお茶は体に良いことづくしなのです。お薬として多くの飲んでいたというのも頷けますね。歯周病や虫歯も予防してくれます。
飲むだけでなく、使い終わった茶がらは料理に使って茶葉そのものを食べることもできます。茶葉の持つ成分を壊すことなく丸ごと摂取できるので、とても良いお茶の摂り方です。
またお茶には、成分によりさまざまな効果が期待できますが普通のお薬のように副作用はありません。たくさん飲んで健康になりましょう。