紅茶といえばやっぱりイギリス!優雅でオシャレな英国紅茶あれこれ

紅茶発祥の地は中国ですが、紅茶をとても愛したのはイギリスのひとたちだと思います。

貴婦人に相応しい飲み物として広く知られ、多くのイギリスのひとたちを魅了している紅茶ですが、実際にイギリスではどんなふうに紅茶を嗜んでいるのでしょうか。

現在、イギリスでは一日に1億6500万杯もの紅茶が国民によって消費されています。イギリスでのコーヒー消費は7000万杯なので、やはりイギリスでは紅茶が非常に愛されているのがわかります。

ストレートティーよりもミルクティーとして飲まれることのほうが多く、砂糖を加えて飲むひともいます。茶葉をティーポットに入れる方法より手軽なティーバッグで淹れることのほうが多いようです。

イギリスの家庭では家を訪ねてきた客人にはまず紅茶を勧めるのが常識で、マナーのひとつにもなっています。また、「おかわりをどうですか?」と言われたら断らないのが客側としてのマナーで、一日に6杯ほど飲むというひともいるのだとか。

日本でもアフタヌーンティーという言葉が知られていますが、イギリスではアフタヌーン(午後)だけでなく、一日のさまざまなタイミングで紅茶を飲む習慣があります。

目覚めたときにベッドのうえで飲む一杯はアーリーティーと呼ばれて格式あるホテルや使用人を雇っている家庭では、決められた時間にベッドまで紅茶を運んでもらい、目覚めのコーヒーならぬ目覚めの紅茶を飲むのです。

また、ちょっとした休憩時間に紅茶を飲んで息抜きをするイレヴンジズやミッデイティーブレークというものをもうけるひともいます。

イレヴンジズは午前に、ミッディーティーブレークは午後に、それぞれアフタヌーンティーの代わりに紅茶を楽しむ時間です。日本でいう10時のおやつという感覚に似ています。

クリームティーと呼ばれる習慣もあり、アフタヌーンティーより少しだけ小さな「お茶の時間」です。基本的に紅茶とスコーンを一緒に楽しむ形式になっています。

ちなみに有名なアフタヌーンティーは、紅茶と一緒に軽い食事を楽しむというのがイギリスの作法です。サンドウィッチやスコーン、ケーキなどを食べることが多いです。

最近、日本でも見掛けるケーキスタンドは当時のアフタヌーンティーをしていたテーブルが低いものであったことから生まれた道具です。ちなみにお茶の時間とディナーで使うテーブルは分けられて使われていました。

また、イギリスの紅茶を飲む習慣の中に、「昔はソーサーで紅茶を飲んでいた」という話がありますね。それを聞いて驚いたひとは多いと思いますし、信じてないというひともいるかもしれません。

実際に貴族のひとたちの飲み物であった紅茶は、現代のようにマグカップやティーカップの形をした器で飲んでいるわけではありませんでした。

中国から伝来した茶器を使って飲んでいたのでカップを指で持つ部分がなかったのです。現代では日本茶を淹れて飲む、湯のみを想像してもらえばわかりやすいですね。大きさも大きいわけではなく、指先でつまむようにして器を持っていたと言います。

そして受け皿自体の用途も当時のイギリスのひとたちはあまりわかっていなかったらしく、カップの下に添えてあったソーサーで飲んだほうが、紅茶を冷ましながら飲むことができるということで、当時のひとたちの習慣になったのだそうです。

現代のイギリスで、お茶というのは「紅茶のこと」という認識があるくらい身近な存在になっている紅茶。

紅茶を冷たい状態で飲む「アイスティー」が生まれたのはアメリカででしたが、考え出したのは当時アメリカでお茶を売っていたイギリスのひとだったくらいに、イギリスと紅茶文化は深いつながりがあるんですね。